通勤手当は非課税なのはどうして?

通勤手当は、会社が支給することを義務づけられているものではありません。しかし、厚生労働省「就労条件総合調査」(令和2年)によると、通勤手当は従業員30人以上の会社の92.3%で支給されているとのことです。ほとんどの会社で支給されています。
電車・バスといった交通機関を利用すれば料金がかかりますし、自動車・バイクを利用すればガソリン代がかかります。これらを従業員に支給することで、従業員の経済的な負担を減らし、働いてもらいやすくしているのです。
通勤手当は、厳密には「全額非課税」ではありません。
各交通機関や定期券、有料道路などを利用している方の場合、1カ月15万円まで非課税になります。また、自動車や自転車といった乗り物(交通用具)を使っている方は、片道の通勤距離に応じて4,200円〜31,600円まで非課税になります。なお、これらの非課税限度額を超えた場合には、その超えた分の金額が給与として課税されます。
通勤手当が非課税となっている理由は、所得税法の第9条5項にあります。
【所得税法】
第九条 次に掲げる所得については、所得税を課さない。
五 給与所得を有する者で通勤するもの(以下この号において「通勤者」という。)がその通勤に必要な交通機関の利用又は交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとして通常の給与に加算して受ける通勤手当(これに類するものを含む。)のうち、一般の通勤者につき通常必要であると認められる部分として政令で定めるもの
法律の条文で表現が堅いですが、要するに通勤手当は「通常必要であると認められる部分」が非課税になるというわけです。国税庁のウェブサイトにも「通勤手当のうち、一定金額以下のもの」は非課税と記載されています。
厚生労働省で2012年(平成24年)に開催された「社会保険料・労働保険料の賦課対象となる報酬等の範囲に関する検討会」の資料によると、税制では「通勤手当は実費弁済(実際に使った金額を返済している)的な性質がある」とされてきたために、非課税の扱いになっていると説明されています。